心に留めておきたいと思う 「詩」

スタッフから聞いて感銘を受けた吉野 弘さんの詩を
ご紹介させていただきたいと思います!

 

結婚するお二人に向けた詩ですが、あらゆる人間関係に於いても
「そうありたいな・・・」と思います。

 

 

『祝婚歌』しゅくこんか

 

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
立派過ぎることは
長持ちしないことだと
気づいているほうがいい

 

完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうち どちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

 

互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい

 

立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい

 

健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ 胸があつくなるのか
黙っていてもふたりには
わかるのであってほしい